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2005年 07月 04日
一週間たってしまいましたが。
ロートレックという画家を知ったのは小学生の頃。以来ずっと惹かれ続けています。 多忙のため開催期間の最終日になってしまいましたが、なんとか見ることができました。 ロートレックの版画やポスターと、同時代の画家の作品、また、ロートレックが影響を受けた、日本の浮世絵なども展示され、見ごたえがありました。 19世紀末のパリで活躍したロートレック。 ダンスホール、バー、劇場など、歓楽街の情景を多く描いています。 私がロートレックに惹かれる一番の理由は人物の表情にあるのだと、見ていて気がついた。 同時代の画家たちが描く、同じような情景の中の人々は皆、屈託なく愉快そうに見える。 それがロートレックの作品では、どこか醒めているのだ。 華やかな場にあっても、賞賛の声に囲まれていても、どこか退屈で憂鬱な表情の踊り子や歌い手たち。 刹那的で退廃的な光景の中に溶け込みきれずに浮かび上がる、人生の悲哀。 そのような場所で生きる女性たちの、何気ない日常をうつした版画などは、深いため息が聞こえてくるようだ。。 起きぬけの女。決して希望にあふれた朝ではなく。 あぁ、また朝が来てしまった、と。 永遠に目覚めなければいいのに、と。 ロートレックは、人の中にある負の感情を敏感に感じ取っていたのだろうなぁ。 モデルになった女性たちの写真も一緒に展示されていたのだけれど、中には勝気そうな貌をした美しい女性が、まるで老婆のような表情に描かれているものもあった。 モデルの女性は後にロートレックを訴えたというが、内心怖ろしかったのではないだろうか。 似ている似ていないということ以前に、見透かされているという思いはなかっただろうか。 本質をえぐり出す、鋭い視線。 その視線に同化して絵を眺めるとき、これは自分自身の心の内なのかもしれないと感じてしまうのです。
by cygne73_76
| 2005-07-04 17:56
| 徒然
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