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2005年 04月 25日
京極夏彦さんの妖怪シリーズを読み続けているのですが・・・。
そういえば今頃、あの人は何をしているだろう? そう考えることって、誰にでも一度や二度はあるのではないでしょうか。 私は日常の忙しなさからふと解放される一瞬なんかに、よくそんなことを考えてしまいます。 それは知人に限らず、全く見知らぬ人の人生についても。 例えば信号待ちの車内で。偶然隣に止まった車の、運転席に座る人。 今、私とその人は同じ交差点で信号が変わるのを待っているけれど、私が直進し、その人が左折するその後、その人はどんな場面に遭遇し、何を思うのだろう。 何でこんなこと言い出したかというと、京極夏彦さんの小説における時間軸というものの扱いがあまりにも巧みだからです。 登場人物たちは皆、当たり前に自分の人生を生きている。 そして様々な事を経験し、自分なりの感じ方、考え方で物事を捉えていく。 読み手は当然、登場人物全ての日常を追体験している。 それなのに、その時間軸が京極堂によって一つにまとめ上げられ、一見無関係に思えていた事柄が関連性を持って見えてくる時のあざやかさはどうだろう。 もちろんマニアックで難解でまわりくどいとも思える京極堂の解説は、読み進めるのにも少し骨が折れるのだけれど。 私は女優でもなければイタコでもないので(ちょっと違うか?)、自分以外の人生を生きたり、他人の思いを共有したりすることは、本当の意味ではできない。 そんな凡人の私が唯一、非日常的なことを体験できる、その手段が読書なのですねぇ。 でも哀しいかな平凡な私が感情移入してしまうのは全てお見通しの京極堂でも、超探偵の榎木津でもなく、どこまでも情けない役回りの、関口センセイだったりするのですが・・・。
by cygne73_76
| 2005-04-25 03:56
| 読書のキロク
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